今回は中国輸入OEMを販売するための具体的なノウハウをご紹介します。
現役OEMプレーヤーが、良い商品を生み出すポイントや具体的手順を実演も交えてわかりやすく解説します。
この記事を読むと、売れる商品のリサーチの仕方のポイントをおさえることができ、理想的なOEM商品を生み出す方法がわかります。
動画での解説講義
中国輸入OEMとは
中国輸入OEMは、日本ではたくさんの企業が取り入れている大変ポピュラーな手法です。
中国輸入OEM:企画・設計は自社で行い、中国の工場で生産のみを委託して自社ブランドで販売すること
メリットは、自分だけのオリジナル商品を作れるため差別化しやすくマネされにくいことが挙げられます。
その反面、以下のようなデメリットもあります。
・リードタイムが長い(最短でも4ヶ月くらい)
・コストが高め(1色につき¥300,000程度から)
中国輸入OEMの基本戦略
中国輸入OEMに於けるおすすめの戦略は、既存商品の改良版を販売することです。
この方法には2つの利点があります。
1:既に売れている商品がベースになっているので、失敗を回避できる。
2:売れている商品のデメリットを改良しているため、更なるヒットが見込める。
ですので初心者でも取り組みやすく、結果を出しやすい方法だと言えます。
中国輸入OEMをする5つの手順
中国輸入OEMをする5つの手順は以下の通りです。
1:商品リサーチ
2:仕入れ先リサーチ
3:仕様書作成
4:サンプル生産とチェック
5:本発注
早速1つ1つの項目について詳しく解説していきます。
OEM商品リサーチで見るべき5つのポイント
商品リサーチの際に見るべき5つのポイントについて解説します。
販売価格
おすすめは¥2,000〜¥3,000くらいの価格帯。最低でも¥1,500以上を選びましょう。
あまり安すぎると利益を取りづらくなってしまいます。
ランキング
ライバル商品が売れ筋であることが前提の戦略ですので、ランキング上位に入っている商品を選ぶことが大切です。
1ヶ月の販売数
仕入れ先のロット数とのバランスをみながら、在庫を抱えすぎないで済むくらい販売数のあるものを選択しましょう。
レビュー内容【重要】
レビューの良い点はお客さんが購入する決め手となったポイントです。そして悪い点は改善要望であるため、そこを商品に反映すれば確実に売れる商品を生み出すことが可能となります。
ユーザーの声を反映した理想的な商品作りに不可欠なポイントですので、しっかりと確認しましょう。
商品の特徴(良い点・悪い点)
4つ目のレビューと関連しますが、商品の特徴を捉えるときは全体的な雰囲気ではなく「良い点」「悪い点」にしっかりとフォーカスしてリサーチすることが大切です。
OEMメーカーを見つける2種類の方法
仕入れ先リサーチの方法としては大きく2つあります。中国での展示会に行く方法と、アリババを活用する方法です。
工場の探し方
今回はアリババを活用したリサーチ方法について詳しく解説します。
こちらがアリババのホームページです。
下の画像内で青枠で囲まれた部分の称号が、一定の基準を満たしている証となります。また、赤い下線の引いてある中国語が、日本語で言うと「メーカー」の意味となります。
次に、具体的手順を解説していきます。例えば、このようなビジネスリュックを生産したいとします。
アマゾンの商品の詳細画面から、商品画像を保存します。
次にアリババを開いて先ほど保存した画像で検索をします。黄色いポイントのところに画像検索ボタンがあります。
画像検索した結果はこのようになっています。
適当な商品を選んで詳細画面をみてみましょう。(下記画像)
さらに商品名にある中国語で検索すると、下の画像のように「ビジネスリュック」というキーワードでの検索結果がたくさん出てきます。この方法なら中国語がわからなくても、写真をみて推測しやすいのでおすすめです。
さらに、作りたい商品と似たようなものを探して詳細画面を開きます。下記のような画面です。
このビジネスリュックを製造しているメーカーのトップページを確認して、どのような工場なのか、OEMに対応しているかなどをチェックします。
トップページの画像や文言から、自分の作りたい商品に合ったメーカーかを確認していきます。また、工場紹介画像や動画を見て、どのような環境で生産が行われているのかもチェックしておきましょう。
これまでの取引先が掲載されている場合もあります。大手有名企業と取引があれば、信頼できるメーカーなのだな、と当たりをつけることができますね。
このようにいくつかのメーカーのトップページを確認して、グローバル向けかつしっかりとした商品を作ってくれそうな工場をピックアップしていきましょう。
アリババの操作の実演に関しては、こちらの動画↓も併せてご参照ください。
工場に聞くべき7つの質問
目ぼしいメーカーを見つけたら、直接コンタクトをとってみましょう。そのときに工場に質問していただきたい項目を7つご紹介します。
自社生産の商品か
中には他の工場に生産を依頼している企業もありますが、自社生産の企業を選んだ方がスムーズに進行できるのでオススメです。
サンプル作成が可能か
ほとんどの企業が対応してくれますが、そうでないところもありますので確認は必須です。
納期・価格
サンプルと量産分、どちらも確認しておきましょう。
最低仕入れロット数
在庫を大量に抱えるリスクを防ぐため、確認が必要です。
不良品が発生した場合の対応
全てが良品ということは、まずあり得ません。不良品対応について予めはっきりさせておくことはとても重要なポイントです。
日本(海外)との取引実績の有無
それぞれの国の基準に合わせた商品を作った経験があるメーカーを選ぶのが安心です。特に日本やヨーロッパ、アメリカなどと取引実績があるメーカーがベターです。
メーカーとの取引方法
初心者にオススメな方法は、中国輸入の仕入代行業者に依頼することです。会員登録をしてOEMをしたいと相談すれば担当者につないでもらえます。
中級者以上にオススメなのが、クラウドワークスなどで中国語通訳を依頼して直接やりとりをしながら取引をする方法です。
展示会
展示会に出ているメーカーは、海外と取引をしたいところが多く品質のレベルも高い傾向にあります。
中国語はもちろんのこと、英語でのやりとりも可能な場合が多いです。
展示会でのコツは、名刺交換と写真撮影を行うことです。
展示会でたくさんの人と会っても、あとで誰が誰だかわかりやすいため必ず写真は撮りましょう。そして名刺とセットで保管しておきます。
また、展示会でも先ほどご紹介した「工場に聞く7つの質問」を忘れず聞いておきましょう。
展示会レポートについてはこちらの動画をご参照ください。
優良工場と繋がれた場合の5つのメリット
次に、優良工場と繋がれた場合の5つのメリットについて解説します。
高品質
継続して商品を販売するために重要なポイントです。
レスポンスが早く継続的に安心して取引ができる
スムーズに取引を進める上で必要不可欠な要素です。
横展開がしやすい
品質が良いものを作っている工場であれば、他の商品を作るときも安心して依頼できます。ただし、品質さえ良ければ売れるわけではありません。商品を増やす際はきちんとアマゾン等で、ランキングやレビューを確認をしてからにしましょう。
いいレビューがつきやすく商品ページが育つ
いいレビューは商品を長く売り続けるためにとても重要です。そしてその数が多いほど信頼性は高まります。
永く継続的に販売ができて売上と利益をもたらす
半年、一年、それ以上と売り続けることができる品質の高い商品を生み出せば、少ないコストで生産できるため利益も増大します。
OEMでコストを下げるコツ
「OEMでコストダウンするコツはありますか?」
このような質問をよく受けます。具体的なコツとしては以下の2点に気をつけてみてください。
・金型・型紙・型枠を極力崩さない
→型枠をゼロから作るとコストが膨大になります。ライバル商品の型枠からなるべく崩しすぎないものを依頼することをオススメします。
・ボリュームディスカウント交渉
→まとめて発注することで単価を落とすことができます。
仕様書の作成4つのポイント
発注する際に、相手先が正しく商品を生産できるようわかりやすく指示をまとめた者が必要です。それを仕様書を呼びます。
仕様書作成で重要な4つのポイントを解説していきます。
素材サンプルと変更点のサンプルを用意する
今回はバッグを例にして説明します。
文章で「このような感じの生地で!」といくら詳しく書いても、実物を見ないとうまく伝わらない可能性が高いです。ですので実際に使用して欲しい生地を素材サンプルとして渡すようにしましょう。
また、ライバル商品の仕様にショルダーベルトを追加したい場合は同じようなベルトのついたバッグの実物を変更点のサンプルとして渡すのが一番わかりやすいのでオススメです。
変更点は画像やイラストを使って明確にする
先ほど、素材や変更点は実物を必ず送りましょうとお伝えしましたが、さらに画像やイラストで補足するとお互いの完成品のイメージにズレが起こることを防止できます。
曖昧な表現が使わず具体的に
寸法などは必ず具体的な数字を出して、仕様書に記載しておきましょう。
レビューに基づいて改良する
思いつきで改良するのではなく、必ずレビューをじっくり読んでお客様の声を反映した商品開発を行いましょう。
例題を使った仕様書の解説
例題を使って、仕様書の作り方を詳しく説明していきます。パワーポイントを使用すると作りやすいのでオススメです。
こちらが表題ページです。上の画像のように、作って欲しい商品・会社名・自分の名前を記載します。
次に目次を作成します。項目は上の画像の内容をご参照ください。
続いて(1)全体概要について解説していきます。上の画像のように写真と文章を使ってわかりやすく作成しましょう。画像には記号や番号を振って、どれを指しているのかわかるようにします。文章部分では、特にこの商品に求めている機能を明記すると良いでしょう。
(2)OEMの目的とアピールポイントの書き方についてご説明します。上の画像の文面を参考に、ライバル商品の弱点を克服しつつ良い点は受け継いだ商品の特徴を端的にわかりやすく記載します。また、ターゲットユーザー層や用途も書いておくと尚良いです。
(3)外装について 写真と文章を併用し、曖昧な部分が無いように各部分の寸法などもしっかりと記載します。
(4)内装について こちらも外装と同様に写真と文章を用いて記載しておきます。
(5)その他変更点について ブランドロゴが入ったタグをつける場合などは、こちらに詳細を記入しておきます。
(6)確認事項について説明します。上の画像のように、こちらの要望を文章にて箇条書きにします。
以上、仕様書の作成方法を例題を用いて解説してきました。今後ご自身で仕様書を作るときの参考になれば幸いです。
素材サンプルの探し方
商品をメーカーに発注する際に素材サンプルも渡しましょう、と先ほどお伝えしました。その素材サンプルの探し方について解説します。
素材サンプルの探し方は2つあります。1つ目は、該当のライバル商品を実際に購入すること。2つ目は革や生地の素材見本帳を購入することです。見本帳は、楽天などで「見本帳 生地(革) サンプル」と検索するとたくさんHITしますので、簡単に購入することができます。
サンプル生産依頼から確認までの流れ
以下の流れで依頼から確認までを実施します。サンプルは必ずご自身の目で見てチェックしましょう。
1:仕様書と素材サンプル、(あれば変更点サンプル)を準備
2:代行業者へ送付(送付方法は代行業者の指示に従う)
3:代行業者から工場へ送付
4:仕様書に従いサンプルを生産
5:完成品を代行業者へ送付
6:代行業者から送付してもらったサンプルの確認
サンプル確認の3つのポイント
サンプルを確認する際にチェックすべきポイントは、品質・仕様書の内容との照合・梱包状態の3つです。1つ1つ自分の目でしっかりと確認しましょう。
本発注
サンプルの確認が澄んだら、いよいよ本発注をします。優良工場が見つかったら、他の商品も同じ工場で扱ってみることをオススメします。品質が良い商品のバリエーションを一気に増やすことができるチャンスだからです。
よくある質問
仕様書は日本語でいいか?
結論は、工場によります。中国語版の仕様書を求められた場合は、クラウドワークス等で翻訳を依頼しましょう。
初心者にオススメのOEMしやすい商品は?
縫製系の商品が始めやすいです。ミシンで縫うことができるバッグや洋服など、カスタマイズがしやすくオススメです。
まとめ
中国輸入OEMをする際のコツは以下の5点です!
・既存商品の改良版を発売する
・レビューから改良点を見つける
・初心者なら代行業者を通してOEMする
・仕様書と素材サンプルはセット
・その工場で他にいい商品がないか定期的にヒアリング
継続して売れる、ユーザーの声を反映した商品を作り出すための参考になりましたら幸いです。
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