こんにちは、寺田です。2024年にAmazonが発表したFBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)の手数料改定について解説します。毎年のように変更が行われるAmazonのFBA手数料ですが、今回は特に在庫管理や小型商品の配送手数料において大きな影響があります。本記事では、この改定内容の詳細と、それに対してどのように対応すべきかをご紹介していきます。
2024年FBA手数料の変更点
AmazonのFBA手数料改定は、販売手数料、配送代行手数料、保管手数料の各種手数料が見直され、毎年発表されています。2024年の改定では、次のような主な変更が予定されています:
- FBA新商品特典プログラムの対象拡大
- 配送代行手数料のサイズ区分の変更
- 小型軽量プログラムの廃止と代替手数料の導入
- FBA長期在庫追加手数料の改定
- 低在庫レベル手数料の新設
- 在庫保管追加手数料の導入
順を追って、各変更内容について詳しく解説していきます。
1. FBA新商品特典プログラムの対象拡大
まず、新規の出品者や商品に向けた「FBA新商品特典プログラム」が拡大されました。このプログラムは2024年3月1日から適用され、新規商品に対して売上の5%が還元されるというものです。これまでブランド登録をしているセラーが対象でしたが、今後はブランド登録がない場合でも適用されます。
ただし、この特典は120日以内に50〜100個を販売するなどの条件があり、既存のセラーには適用されない点に注意が必要です。この還元特典を活用することで、新規出品の初期コストを抑えることが可能です。
2. 配送代行手数料のサイズ区分の変更
次に、FBAの配送代行手数料のサイズ区分が細分化されました。現行の標準2Aサイズ(40cm以下)を「20cm以下」「30cm以下」「40cm以下」の3つに分割し、各サイズに応じて手数料が変わるようになります。
例えば、20サイズ(20cm以下)であれば配送代行手数料が21円の値下げ、30サイズ(30cm以下)では変更なし、40サイズ(40cm以下)では21円の値上げとなります。この区分の変更により、商品のサイズに合わせた手数料の最適化が求められます。
特に20サイズの商品は、今後コストが下がるため、サイズが20cm以下の小型商品の展開を検討する価値があります。ただし、既存の商品がどの区分に該当するかを確認することが重要です。
3. 小型軽量プログラムの廃止と代替手数料の導入
これまで提供されていた小型軽量プログラムが廃止され、1000円以下の商品に対する配送代行手数料が一律66円引き下げられる新制度に移行します。4月1日から適用されるこの制度では、価格が1000円以下の全商品に対して、サイズや重量に関係なく手数料が引き下げられます。
ただし、小型軽量プログラムで運用していたセラーにとっては、実質的な値上げとなります。以前の小型軽量プログラムでは1000円以下の商品に対する最も低い配送手数料が208円でしたが、今回の改定で一律222円に変更され、22円の値上げとなります。
影響と対策
小型軽量プログラムを利用していたセラーは、今回の改定でコストが増加するため、販売価格の見直しや他のサイズ区分に適した商品展開を検討する必要があります。また、価格帯の変更や、パッケージング方法の調整でコスト削減を図ることも一案です。
4. FBA長期在庫追加手数料の改定
長期保管在庫に対する追加手数料が2024年4月15日から改定されます。在庫保管期間が271日から365日、もしくは365日以上の在庫について、長期在庫追加手数料が引き上げられます。
影響と対策
Amazonの倉庫に長期間商品を預けたままにしていると、手数料が増加するため、在庫の管理が今まで以上に重要です。季節商品や需要の変動がある商品については、在庫数の調整や在庫を外部倉庫に移すことを検討する必要があります。例えば、一定期間で在庫回転率を確認し、売れ行きが低い商品は適切に返品や廃棄処理を行い、長期保管によるコスト増を避けるようにしましょう。
5. 低在庫レベル手数料の新設
新たに「低在庫レベル手数料」が導入されました。これは、AmazonのFBA倉庫に十分な在庫がない場合に発生する手数料です。過去の販売実績を基に、14日分以上の在庫がない場合、1つの商品ごとに追加手数料が課されます。例えば、毎日100個の販売実績がある商品であれば、少なくとも1400個の在庫が必要です。この基準を下回ると、手数料が発生します。
影響と対策
この手数料は、在庫が不足している状態を防ぐためのものですが、セラーにとっては在庫量の調整が難しい場合もあります。最低でも1ヶ月分、できれば1.5ヶ月から2ヶ月分の在庫を確保し、FBA倉庫での在庫切れを避けるよう心がけましょう。リードタイムが長い商品を中国から輸入する場合は、さらに多めの在庫を持つことで、突然の販売増加にも対応できるようになります。
6. 在庫保管追加手数料の導入
5月1日から、販売数に対して過剰な在庫がFBAに保管されている場合にも、在庫保管追加手数料が発生します。これは、低在庫レベル手数料とは逆に、Amazon倉庫に預けすぎた場合に課されるものです。
影響と対策
Amazonは、セラーに適正な在庫量の維持を求めています。過剰在庫は保管手数料の増加や販売の低迷にもつながるため、定期的な在庫チェックと過剰在庫の削減が重要です。外部倉庫と連携して在庫を分散させ、必要な分だけをFBA倉庫に預けることで、コスト削減を図りましょう。
まとめ:2024年の手数料改定にどう対応するか
今回のAmazon FBA手数料改定は、在庫管理やコスト管理に大きな影響を与えます。これらの変更に対応するためには、次のポイントを抑えておくことが重要です。
- 新商品特典プログラム:新規出品者は5%の還元を活用し、初期コストを抑える。
- サイズ区分の確認:商品がどのサイズ区分に該当するか確認し、特に20サイズの商品を活用してコスト削減を目指す。
- 販売価格の見直し:小型軽量プログラムが廃止されたため、価格1000円以下の商品は販売価格やパッケージの見直しが必要。
- 長期在庫の管理:長期保管手数料が上がるため、在庫を外部倉庫と連携して管理し、適宜返品や廃棄を行う。
- 在庫量の適正化:低在庫と過剰在庫の両方で手数料が発生するため、在庫量のバランスを保つための計画的な調整が必要。
これらの変更は在庫管理とコスト管理をさらに複雑化しますが、適切に対応することで、コストを最小限に抑えつつ利益を最大化することができます。Amazonでのビジネスを効率的に進めるため、適切な対策を講じましょう。
今回の手数料改定は、セラーにとって在庫の管理がより重要になることを示しています。特に在庫量の適正化は、コスト削減に直結する重要な要素です。もし今回の変更点に対応するためのさらなる情報が必要であれば、ぜひLINE登録やセミナーに参加してみてください。
Facebookでコメントする