今回のテーマは「中国輸入OEM仕入れ先への交渉で良い条件を引き出す14の戦略【ロット交渉・品質改善】」についての解説です。
自分のOEM商品・中国輸入OEM商品で、なるべくコストダウンを図っていきたい所です。
そういった時にコストダウンをしていく方法、単価自体を下げるのもそうですが、他にも色々な手段があります。
そして今回は”14の戦略”ということで、実際に仕入先と交渉をするなかで「良い条件」でやっていく方が当然ながら商品の販売も長生きします。
初心者の方でもしっかりと有利な条件を引き出すための戦略という部分をお伝えしていきますので、ぜひ最後までご覧頂ければと思います。
動画での解説講義
今回は「ロット交渉」「品質改善」が主なテーマですが、実際に中国輸入OEMとなると「オリジナル商品を1から工場に依頼して作る」ということになります。
ですので、やはり「ロット数はどれくらいなのか?」「どれくらいの単価で出来るのか?」「品質は大丈夫なのか?」など様々な懸念が出てくるかと思います。
まず、中国輸入OEM実践者の方にとって、有利な条件というものがありますのでご紹介します。
中国輸入OEMにとって良い条件
- 単価を下げる
- ロットを下げる
- リードタイム(納期)を短くする
- 品質を上げる
中国輸入OEMにおいて良い条件ということになりますと、例えば「単価を下げる」はそのまま単価が安いという意味です。
「ロットを下げる」というのは、1回の発注で「最低100個なのか?」「最低500個なのか?」というので当然ながら、キャッシュフローというものも変わってきます。
そして、「リードタイム(納期)を短くする」は、商品を発注してから納品されるまでの時間ですが、当然ながら短いほうが良いです。
あとは「品質を上げる」では品質が良いほうが当然良いということになりますが、全て叶えるというのは贅沢ながら、大きく良い条件となるとこの4つになります。
単価を下げるためには?
まず「単価を下げるには?」という時に行う戦略のご紹介です。
1.ロットを積む
例:最低ロット数:100個@500円
⇒最低ロット数:200個@460円へ
ロット数を下げるというのが条件の1つではあるのですが、やはり全ての条件を当てはめるのは中々難しいので、トレードオフ(何かを得ると、別の何かを失うもの)です。
ロットを積む代わりに「1個あたりの単価を下げる」という方法があり、例えば最低ロット数を「100個で単価500円」の所を「200個で単価460円」にしてもらうなどがあります。
「大量に発注するので安くしてくれませんか?」という交渉の仕方で、これはよくある”ボリュームコストダウン”というものです。
2.素材を廉価品へ
例:本革⇒PUレザー
例えば、「本革」で仕入れ単価が高かったものを「PUレザー」に変えるという方法があります。
「PUレザーに出来ませんか?」という所を交渉して、検討してみるというやり方です。
3.既製品の型を崩さない
例:ロゴだけ変更
ロゴ抜きのものを仕入れる
元々工場でも作ったことがない、複雑な商品を作っていこうとすると、「品質の安定がなくなる」「加工賃が掛かる」などが出てきます。
ですので、大きく元の商品から崩さない、例えば「ロゴだけ変更する」「ロゴ抜きのものを仕入れる」など大きく変え過ぎないのもポイントです。
4.製造工程を省く仕様をオーダーする
例:ポケットをなくす
例えば、商品で「付いていたポケットをなくして、その分の手間が減らせるので安く出来ませんか?」というオーダーのやり方です。
決して無駄ではありませんが、余分な所を省いていくことで”コストダウンを図る“という方法があります。
5.相見積もりを取る
複数の工場に見積もりを取る
やはり、1箇所の工場よりも3箇所というように、その商品を作れる工場をいくつか見つけた時に「相見積もり(複数の工場で見積もって比較)」を取ります。
それで「実際にどれくらいの原価になるのか?」という所が分かってきますので、交渉がしやすくなります。
6.複数回取引をする
同じところから複数回仕入れて
信頼関係を作り少しずつ交渉していく
同じ工場から複数回「リピート発注」していくことで、関係性を深めていくというやり方です。
関係性が深まり信頼関係ができれば、”良い条件”が引き出せるようになるということになります。
7.直接工場を訪問し信頼関係を作る
アテンドサービスを利用
仕入れ代行業者によるアテンド
ロコタビ
このやり方はすぐに効果が表れるわけではありませんが、やはり「直接会う」というのはポイントが高いです。
実際に工場で「どんな加工がされているのか?」「どういう人たちが働いているのか?」「検品・ロットの工程をどのように見ているのか?」などを見ていくのもアリかと思います。
例えば、アテンドサービスを使って直接工場に行ってみる場合、「仕入れ代行業者によるアテンド」や他にも「ロコタビ」といったアテンドもありますので、これらのサービスをぜひ利用してみて下さい。
8.単価を上げる
例:最低ロット数200個@460円
⇒最低ロット数100個@500円
「1.ロットを積む」とは逆の考え方で、やはりどうしても「ロット数と単価を両方下げる」というのは無茶な話です。
やはり、どうしても「ロット数を上げて単価を下げる」または「ロット数を下げて単価を上げる」のどちらかになります。
資金面から考えて、多少単価が上がってもロット数が少ない方が良いということになれば、「販売単価を上げてもいいから、ロット数を小さくしてくれませんか?」と交渉をします。
例えば、サンプルを発注する場合は「最低ロット数:100」だと取るに取れないので、「単価を上げてもらっていいので、数個でお願いできますか?」という交渉の仕方であればOKとなりやすいです。
9.元となる型枠を崩さない
ゼロから型枠(金型や型紙)を
設計するにはコストがかかる
ゼロから型枠(金型や型紙)を設計する場合、特に「金型を作っていく商品」になってくると、機械の稼働率を考えてのロット数なのでコストが掛かります。
ちなみに縫製(ほうせい)の場合は人がミシンなどを使って縫っていくので、ロット数は小さめになりやすいです。
逆に機械系の方がロット数が大きめになりやすいという所があります。
・相見積もりをとる
複数の工場に見積もりを取る
・複数回取引をする
同じところから複数回仕入れて
信頼関係を作り少しずつ交渉していく
生産のリードタイム(納期)を短くするには?
次に「生産のリードタイム(納期)を短くするには?」という時に行う戦略のご紹介です。
10.初回の本発注時にn個あたりの生産にかかる日数をヒヤリングしておく
例:300個生産するのに30日掛かる
例えば、300個作るのに30日掛かるという所を分かっておけば、単純に「600個発注すれば60日掛かるのか」と計算ができます。
ですので、事前にかかる日数をヒヤリングしておくというのがポイントで、それに合わせて発注していく所があります。(事前にリードタイムを工場に確認する)
11.発注時に次回の発注する可能性とその時期について事前に伝えておく
例:次回は2ヶ月後に発注させて
いただく可能性があります
【ポイント】販売計画を事前に立てておく
信頼関係を作っておくと、工場も「先に作っておきますよ」というようなこともあります。
ですので、まずは自分の中で「販売計画」を事前に立てておくのがポイントです。
品質を上げるには?
そして「品質を上げるには?」という時に行う戦略のご紹介です。
12.サンプル発注の段階で検品事項を洗い出す
事前に「こういう所が要チェックポイントだな」という検品事項を洗い出しましょう。
そして、これは「サンプル発注」を使って調べておくことが大事です。
13.仕入代行業者に特別検品を依頼
サンプルで見て欲しいポイントを「画像」「動画」にして、それを仕入代行業者に伝えて“重点的に検品”をしてもらいます。
仕入代行業者に特別検品を依頼することによって「不良品を省くこと」ができるようになります。
14.取引の度に改善点を仕入先に伝える
例:前回の発注時に裾の部分の縫製に
ついてほつれが散見されましたので、
出荷時に重点的に検品をお願いします。
ODM(アリババの既製品を仕入れて販売)では難しい所ですが、OEM(オリジナル商品販売)は当然ながら「1から生産を依頼」していますので、改善点の依頼が可能です。
例えば、「一応基準内ではありますが、次は〇〇をお願いします。」と伝えたり、より改良版のアイデアを出していくなどが出来ます。
工場と連携・フィードバックをしていって、「特別検品で対応できましたが、工場で弾いたり、品質の部分で対応をお願いします。」というように依頼をしていきましょう。
まとめ
- 単価を下げる
- ロットを下げる
- リードタイム(納期)を短くする
- 品質を上げる
徐々に工場との取引回数を増やし
信頼関係を築き精度を上げていく
今回は「中国輸入OEM仕入れ先への交渉で良い条件を引き出す14の戦略【ロット交渉・品質改善】」をお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
品質を上げるというのは勿論ですが、「単価を下げる」「ロットを下げる」「リードタイム(納期)を短くする」の中で、”まずどこを押さえていくか”を決めていきます。
工場との取引によって経験も溜まってきますので、ぜひ継続した発注をして信頼関係を築いていくことが商品の精度アップに繋がります。
やはり、「単価を下げる」と「ロット数を少なくする」は相反する部分なので、トレードオフをして“どちらを取るかを決める”という所です。
まず、資金が少ない方はロット数が少ない方を優先して、資金が増えればロット数を増やして単価を下げることが出来ますので、まずは「資金の回転率」を上げていきましょう。
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